前に進もう 今日のメモ書き

毎日のメモ代わりに脈絡なく思うまま書いています。最近はもっぱら読書備忘録です。

最近読んだ本

最近日記ブログを別に作って、そちらを書きたい衝動に任せてつらつら書くほうが楽だけれど、せっかく読んだ本がいくつかあるので、読んでから時間がたって忘れてしまったけれど、忘れないように必死で備忘録を残します。

 

読みやすかった。ニーチェ以前とニーチェ以降の切り分けについて知れてよかった。

”哲学”とか”形而上学”という言葉が日本に登場したのは明治以降とすごく最近で、そもそも日本にはない思考様式であったことなど、すごく腑に落ちた。

哲学史を読んでいてもなんかこう遠い世界すぎてちんぷんかんぷんとまではいかないものの「なんだこれ」的だった理由について、遠からず理解できた気がする。

同じ著者の反哲学史 (講談社学術文庫)も買ってある。こちらのほうが難かしくなるだろうけど、がんばるぞー。

 

 

安定の飲茶さんの本。あっという間に読める読みやすさ。

フェルマーの定理にまつわる物語、感動して、涙を流して声を出して泣いてしまった。

泣くのはストレス発散になるって本当だ。日々の鬱屈をひと時吹っ飛ばしてくれた。

哲学と数学ってつながっていたんだ。そうだったんだと、この歳になって知った。

哲学って完全に文系な世界ではなかった。そもそも、文系理系という単純な切り分けは受験科目的なことであって、世界はそんな風に切り分けられないんだきっと。

 

 

この本の原題はそのものずばり「THE GENETIC LTTERY  (遺伝くじ)」だそう。

やはり日本では原題そのままでは刺激が強すぎるし、この本の意図が歪曲して捉えられるというか、正しく伝わらない恐れがあるからでしょうか。

知能や体力に遺伝の影響があるのは尤もだと思うし、生まれついた環境による幸運で人生の成り行きが変わるのも尤もだと思う。

優生学に陥らないように、いかに遺伝学を社会の平等に活かしていくか、とても丁寧に語られていた。

 

哲学者のロールズの言葉がいくつか引用されていて、マイケル・サンデル教授のいくつかの本でもロールズは引用されていたが、

生まれつき恵まれた立場に置かれたものは誰であれ、運悪く恵まれなかった人たちの状況を改善するという条件のもとでのみ、自らの幸運から利益を得ることが許される

持って生まれた認知機能、知能、体力、家庭の資産状況、等々、自分ではどうしようもない条件の影響をうけない"人生の結果”ってほとんどないのだと思う。

所謂、努力できる、やり遂げる意志力があるなんていう特性も持って生まれた遺伝子の影響があって、そうなると、ロールズやサンデル教授やこの本の著者の述べたいことにとても大きな共感、納得するものがあった。

 

「これは私の努力の結果なのだ。私は称賛されて当然なのだ」と思うことは多い。けれどもその努力できる特性や環境は運よく与えられただけだと、がっかりするんではなくて感謝して謙虚になる方向に向かえたらいいのだろうと思う。

一方で、「私はダメな人間だ」って自分を卑下することもやめなくちゃいけない。

人と比較しても意味ないってことにもつながる。『人間の不幸は人と比較することから始まる』とはよく語られることだと思う。深いなあ。