良かった。
Amazonのレビューはあまり高くないけれど、面白かった。
なかなか刺激的なタイトルだけど、内容はそんな怖くない。
『光遺伝学』という技術でいろんな脳疾患を特定したり治療したりする可能性?
ただの科学一辺倒の本ではなくて、著者が出合ってきた患者たちとそれぞれの疾患について、文学的に語られていた。
それぞれの章の初めには、詩や散文?や古典?文学作品の一節が添えられている。
回りくどく感じられる文章なのかもしれないが、私はこの本は素晴らしいと思った。
読み始めは「なんの話だこれは」ってなってたけど、読み進めていくうちに引き込まれていった。
脳の疾患や仕組みについてただ語られているのではなく小説的に語られていることによって、人のこころや脳の複雑さに対して畏敬の念というか畏怖というか感じ入ってしまう。
持って生まれた神経回路の網目。
この本では『タペストリー(織物)』が比喩に使われている。
経(たて)糸は恐らく遺伝子たんぱくのこと。緯(よこ)糸は、その人が生まれてからの経験や得た感情で織られていく。そのひとそれぞれの独自の模様を編んでいく。
ドーパミンの話も出てきた。進化や遺伝子の話も出てきた。
これまで頑張って読んできた本のおかげで理解が進みやすくなってると実感する。
読書も複利効果のように広がっていくんだなあと思う。
読んでよかった。