破裂 久坂部 羊 著
一気に読んだ。とてもエネルギー溢れる構成で飽きさせない。登場人物達の強烈な個性がこれでもかとぶつかり合い畳みかけてくる。
大学病院の絵に描いたようなドロドロした人間関係や、官僚、政治の世界。
医療ミスで亡くなった患者の娘がヒロインかな?美人で一生懸命でというところがわかりやすく良くできてて、いかにも過ぎる気がしないでもなかった。
あと、ラストに一気に悪役達が因果応報で懲らしめられるのは爽快だったが、ちょっと簡単に纏まりあっけなさすぎな気もした。
著者のずいぶん最近の本を先に何冊か読んでいるせいか、全体を通して、高齢化社会や医療のあり方についての、医師である著者自身の想いや葛藤のようなものを汲み取ってしまう。
医療系の小説は面白い。
この本は、著者二冊目の小説なのでまだ荒削りなのかも。でもすごいエネルギーを感じた。
この著者の次に読もうと思っている本は無痛 (幻冬舎文庫)。
もう読んだ娘によると、こちらもかなりグロテスクらしい。楽しみ。