「人類の起源」篠田謙一著を読んだ

「人類の起源 古代DNAが語るホモ・サピエンスの『大いなる旅』」篠田 謙一 

 

本当に「大いなる旅」だ。。

なんと複雑で入り組んだ過程を経て私は今ここに生きているんだろうか。

 

ホモサピエンスの進化の歴史が、最新の研究結果をもとにわかりやすく纏められています。

 

わかりやすくといっても、あっちの土地に行ったりこっちの土地に行ったり

あっちで混ざったりこっちで混ざったりしていたようだというその全貌は

とても一度読んだだけで全て把握できるはずもなく、

読みながら前の頁の内容が頭から抜けていくような状態だったけれども、

不思議と読むのをやめる気にならなくて、

「最後まで読みたい、私はだれなのか知りたい」というような感情が

最後まで読み進めさせてくれた。

 

古代人骨のゲノム解析によって、人類の起源が推測されていて、

それはこれからも新たな発見によって通説がどんどん書き換えられていくのだと

なんだかロマンを感じる

 

印象に残ったのは、最終章の「ゲノムから見た人種」という項目で、

ホモサピエンスのゲノムは99.9%まで共通であり、

残りの0.1%の違いで肌の色、目の色、髪の色は変わるんだということ。

 

以下の著者の言葉がとても心に沁みました。

 

「ヒトの持つ価値は99.9%の共通性のほうにもあるはずで、

そちらを重視すれば『人類は平等である』という考え方にたどり着く。

~省略~

現実の社会を見ると、0.1%の違いのほうに価値を持たせすぎているようにも思える」

 

「それぞれの個人は、ホモ・サピエンスという巨大なネットを構成する結び目のひとつであり、それぞれがカラフルな色を放っている」

 

いい本を読めてよかった。

 

 

読んでいただきありがとうございました。